虫歯DECADE

虫歯の神社として知られる白山神社が日本全国に所在していることからわかるように、昔から人々は歯痛に苦しめられていたようです。近年、日本では虫歯が減少していますがそれでも苦しむ人が多くいます。そこでそのメカニズム、予防法、治療法について解説します。

虫歯のメカニズム

虫歯(う蝕)は、粘性の強いかたまりとなって、歯に固着した(バイオフィルムといいます)ミュータンスレンサ球菌という細菌が、食物の中の糖質を分解して生産した酸が、歯質のリン酸カルシウム(アパタイトといいます)を溶解させる現象です。

虫歯は、歯質の強さばかりでなく、唾液の量、性状および間食などの生活習慣とも深く関わっています。

虫歯を予防するには

虫歯は、細菌による感染症であるとともに、生活習慣病でもあります。

  • 間食は控えめにし、食後すぐ、口腔清掃を励行しましょう
  • 食事は、ゆっくりと、よく噛みましょう。そうすると、唾液が十分に出て来て、お口の中の酸を中和してくれます
  • フッ素入りの歯磨き剤を使い、歯を強くしましょう

フッ素について

フッ素は、歯質を強化し、虫歯の原因となる酸に強くするとともに、初期の虫歯を治す働き(再石灰化)もあります。また、う蝕原性細菌の生活を弱め、酸の生産を抑える性質を持っており、虫歯予防に効果があります。 一般的には、フッ素入り歯磨き剤が市販されていますので、使用をお勧めします。

また、歯科医院で、定期的に、フッ化物の歯面塗布を行うこと、フッ化物洗口法の指導を受けられることも、お勧めします。

虫歯治療における進行度の区分

虫歯治療においては、進行具合によりC0~C4という区分に分類されます。

軽度のもの(C0)であればあるほど治療も軽微なもので済み、進行度が大きくなる(C4)と、抜歯をしなければならない場合もあります。

C0の状態

最も軽微な虫歯(になりかけている状態)です。

この状態ならばきちんと歯磨きをして、フッ素塗布等、適切なケアを行っていくことで再石灰化(溶解した歯の歯垢に再び歯石が付着すること)に戻すこともできます。

治療方法

  • 歯磨き指導を行ないます。
  • フッ素やキシリトール入りの歯磨き粉を使用するようにして、再石灰化を促すようにしてください。
  • 予防充填(シーラント)をして虫歯の進行を抑制します。
  • 定期検診で進行具合をチェックしていくようにします。

C1の状態

歯の表面が虫歯として侵食されている状態です。

まだ軽微ですが、侵食された部分を削るなどの措置が必要になります。現在ではこの状態でも再石灰化が起こりうるとされています。

この状態は、歯のエナメル質の部分(最も外側の層)だけに進行がとどまっているので、麻酔なしでの治療が可能です。

治療方法

  • 虫歯になっている部分を削る
  • C0の状態と同様のケアを行っていきます。
  • 口内の抵抗力が虫歯菌に負けている傾向にあるため、適切な管理をしていきます。

C2の状態

エナメル質の下の象牙質まで侵食している状態です。

この状態になると、進行具合によっては麻酔が必要になることもあります。

 

治療方法

  • 虫歯になった部分を完全に削り取ります。
  • 侵食が深かった部分には、詰め物をしやすいように薬を詰めて保護します。
  • 詰め物や被せ物がしやすいように歯の形を整形します。
  • 当日、若しくは後日に詰め物や被せ物をして終了です。
    ※稀に痛みが治まらずに歯髄を取り除かなければならないケースもあります。

C3の状態

象牙質の下の歯髄にまで虫歯が進行している状態です。

この状態になってしまうと、歯の中にまで虫歯菌が侵食してしまっているので、歯髄の処置が必要になります。

さらに歯髄が生きている場合と死んでいる場合とで治療方法が変わります。

治療方法

歯髄が生きている場合

歯髄が生きているという事は、神経がまだ痛みを感じる状態なので、麻酔を使用しなればなりません。

この歯髄を取り除く以外は、死んでいる場合以降と同じ治療をしていきます。

歯髄が死んでいる場合

既に神経が死んでいる状態ですが、痛みを激しく感じている場合は、必要に応じて麻酔を使用していきます。

過去の治療による詰め物や被せ物を取り除いた後、侵食されている部位を削るなどして取り除きます。

歯髄の空洞を清掃します。

中を乾燥させた後に消毒をして、初日は仮の蓋をして終了です(治療が終わるまでは治療中の歯をなるべく使わないようにします)。

蓋や薬の交換は必要に応じて行い、通院を何度か繰り返します。

消毒が完了したら、根尖孔に達する部分までに薬を詰めます。

被せ物の型取りをして歯に被せます(必要に応じて土台を作ることもあります)。

特に調子が悪くなければ治療終了です。

C4の状態

この状態になると治療はもはや断念せざるを得ません。

一日も早い抜歯が必要です。ここからさらに放置してしまうと歯根から虫歯菌が侵入し、全身疾患など悪影響が広がっていきます。

早急に対処していきましょう。

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